つかこうへい生誕70年 記念ツアー公演
「つか版・忠臣蔵」

原作= つかこうへい  脚本・演出= 渡辺和徳
出演= 岩崎祐也・高野愛・相良長仁・鈴木利典・新澤明日・小川智之・宮迫誠・仲道和樹・大江裕斗

席種= 自由席(全会場とも)
料金= 一般 3,500円 / 学生 2,500円 (全会場、前売当日とも)


◇東京公演 2018年10月3日(水)〜8日(月祝)/d-倉庫
◇神戸公演 2018年10月20日(土)〜21日(日)/神戸三宮シアター・エートー
◇大分公演 2018年10月24日(水)〜25日(木)/ホルトホール大分 小ホール


1982年の傑作テレビドラマ、今再びの舞台化!

 今作の原作となる「つか版・忠臣蔵」は1982年の大晦日に放映されたテレビドラマです。1977年に雑誌「平凡パンチ」に“誌上劇場”と称して掲載されたのを皮切りに、1982年にテレビドラマ版、1985年には小説版が発表されました。また舞台としては、1995年に北区つかこうへい劇団の旗揚げ公演「つか版・北区お笑い忠臣蔵」(脚本・演出 藤本聡)として上演。近年では、横内謙介氏の脚本、演出で上演され、大きな評判となりました。

 今回の9PROJECT版ではテレビドラマ版のシナリオをベースに、雑誌掲載版、小説版の3つを再検証しながら、新たに戯曲を書き起こします。9PROJECTでは以前にも、同年のテレビドラマ「かけおち」を舞台化しましたが、今作でもドラマ版の面白さをそのまま体感できる舞台を目指していきたいと考えています。

「これから始まる物語はフィクションであり、史実、時代考証を超越し、人物関係、生活パターンを無視した現代のドラマである」とは、テレビドラマの最初に表示された注意書きです。過去の傑作を巧みにアレンジしながらも、鋭く人間を描いていく…。つかこうへいの真骨頂とも言える人間ドラマの傑作に、どうぞご期待ください。

STORY

「其角はんにはこの芝居で、四十七人、皆殺しにしてもらいます」
 松の廊下で刃傷沙汰が起こった。着物の裾を踏んですっ転んだ浅野内匠頭が、泡を食って刀を振り回したらしい。大石内蔵助は読み書きのできない主君のため、代わりに辞世の句を書いてくれる作家を求めて、宝井其角の元を訪ねる。さっさと切腹を済ませてお家再興を待つつもりだったが、其角はこのどうしようもない事件を“一級の美談”に仕立て上げ、芝居に掛けることを思いつく…。

 仇討ちよりも家のローンが心配な大石内蔵助。根っからの善人にも関わらず、必死に敵役を演じる吉良上野介。売れる芝居を書くためなら、男女を心中“させる”ことも厭わない近松門左衛門。

 一向に仇討ちをしない家臣たちに苛立ちながら、其角と役者たちは“忠臣蔵”を作り上げていく。其角が必死になるその訳には、近松に奪われた女・志乃への激しい慕情があった…。

CAST

岩崎祐也

宝井其角/岩崎 祐也

志乃との身分違いの恋から侍の身分を捨てた男。志乃が去った後、松尾芭蕉の弟子となって作家になるが、大成せずに今は貧乏長屋暮らしである。
浅野家の騒動を聞き、家臣の仇討ちを芝居に賭けることを思いつく。

高野愛

志乃/高野 愛

能登の七尾の泣き女。葬式で泣き声を上げることを生業とする卑しい身だったが、其角と恋に落ち、一夜限りの約束で結ばれる。翌朝、其角の前から姿を消し、行方知れずとなる。

相良長仁

大石内蔵助/相良 長仁

浅野家の筆頭家老。主君の仇討ちよりも家のローンを心配している。何とかお家を再興して安定した生活を送りたいがため、仇討ちを押し付ける其角と何かにつけて対立することになる。

鈴木利典

吉良上野介/鈴木 利典
(扉座)

何もしていないのに、刃傷騒動に巻き込まれてしまったお人好し。世間の期待に応える悪役になるため、日々、演技の研究に余念がない。が、一向に仇討ちに来ない四十七士にいらだっている。

新澤明日

近松門左衛門/新澤明日

東海一の大作家と名高い劇作家。良い芝居を書くためなら、若い男女を心中“させる”ことも厭わない、恐ろしい男である。其角と同様、浅野家の騒動に目をつけるが、なぜか筆を取らずにいる。

小川智之

大高源吾/小川 智之

浅野家の家臣。暇を持て余して首切りのバイトを引き受けたら、それが主君の切腹の場だった。面倒を嫌い、内蔵助共々、仇討ちなどどこ吹く風でブラブラしている。

宮迫誠

浅野内匠頭/宮迫 誠

赤穂藩の藩主。たまたま転んで吉良に傷を負わせ、刃傷沙汰の大騒動となる。学がないため辞世の句が書けず、内蔵助に句を買いに行かせる。

仲道和樹

坂田藤十郎/仲道 和樹

其角と親しくする、中村座の看板俳優。其角とともに四十七士の仇討ちの芝居を打とうとするが、肝心の家臣たちが動かないため、困り果てている。

大江裕斗

大石主税/大江 裕斗
(北区AKT STAGE)

内蔵助の息子。飯を食う以外に取り柄がない。主君亡きあとは、やることがないため、中村座の芝居小屋に入り浸り、ゴロゴロしている。

構成・演出/渡辺和徳

1978年、東京都生まれ。
北区つかこうへい劇団に入団後、つかこうへいに文才を認められ、氏のもとで作・演出を学ぶ。
2003年、少年隊ミュージカル PLAYZONE「Vacation」で脚本業を開始。以降、演劇作品の脚本、演出を数多く手がける。

【つかこうへい原作作品】
「二代目はクリスチャン」「広島に原爆を落とす日」「弟よ!」「愛人刑事」「龍馬伝」などの構成、脚本を担当。
つかこうへい作品の演出は多数。

【主な脚本作品】
◇青山劇場「SAMURAI 7」「女信長」(原作/佐藤賢一)
◇明治座「神州天馬侠」(原作/吉川英治)「大江戸緋鳥808」(原作/石ノ森章太郎)
◇新国立劇場「AZUMI 幕末編」(原作/小山ゆう)
◇Zeppブルーシアター六本木「あずみ〜戦国編」(原作/小山ゆう)など。

STAFF

舞台監督=久保田智也
照明=清家玲子
音響=葵能人
振付=阿部雄大
衣装=雪浦憲一・吉岡日和
宣伝写真=堀内亮太
協力=つかこうへい事務所・扉座・北区AKT STAGE・劇団PATHOS PACK