第4回公演「ストリッパー物語」(作/つかこうへい)

2016-01-02
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9PROJECT vol.4「ストリッパー物語」

作/つかこうへい  演出/渡辺和徳
出演/高野愛・小川智之・岩崎祐也・山本ナオミ・新澤明日・知念佐枝・高橋邦春

日程/2016年9月14日(水)〜18日(日)
会場/日暮里 d-倉庫
席種/全席自由席のみ
料金/一般 3,500円(前売・当日とも)・学生 2,500円

ABOUT

つかこうへいの晩年を共にした我々が、初期の作品に挑戦する。

ストリッパー物語、生涯、かけおち…。
私たち9PROJECTは、これまでつかこうへいの初期の作品にフォーカスを当てて上演を続けてきました。飛龍伝や幕末純情伝といった近年のキャッチーな作品とは異なり、不条理劇の色合いの強い初期の作品は、今となっては上演されることが少ない作品たちばかりです。しかし私たちは、その独特の世界観を損なうことのないよう、一切台本を書き換えることなく上演しています。

2年前、9PROJECTとして初の公演に選んだのが、今回上演する「ストリッパー物語」でした。小さな劇場ではありましたが、発売初日に初回販売分が売り切れるなど、話題となりました。熱海殺人事件や、蒲田行進曲と並んで、初期の代表作の1つであるこのストリッパー物語は、再演を重ねるごとにガラリと姿を変え、幾つものバージョンが作られました。そしてまた、つかこうへいをして「この作品だけは活字化できない」と言わしめたほど、“肉体で語る”作品でもあります。

今年は、つかこうへいの七回忌にあたります。幸いにも私たち9PROJECTのメンバーは、つかこうへいの最期の十年余りを共にすることができました。つかこうへいの晩年を共にした私たちが、初期の作品に挑戦する…。これは私たちにとって、自らの演劇の源流を探す旅でもあります。そして、つかこうへい氏自身による上演時と同じ戯曲で、同じ規模の小劇場で上演される本作は、当時の世界観が最も色濃く反映された舞台となることと思います。

初演から30年余り…。
現代を生きる我々の肉体を通して生まれる、新たなる“伝説の舞台”にどうぞご期待ください。

STORY

「…あたし、踊れなくなるのかな」

明美は盛りを過ぎたストリッパー。お腹には醜い手術痕が残り、子供の産めない体になっている。かつてはブロードウェイのステージに憧れ、貨物船で密航しようとしたこともあったが、客を沸かせた踊りも、今は見る影もない。落ち着いた暮らしをしたいと思うこともあるが、腐れ縁のヒモのシゲさんは、のらりくらりとかわしてばかりいる。

その明美の前に、一人の少女が姿を現した。劇場の片隅から、明美の踊りに羨望の眼差しを送るその少女こそ、シゲが家に残してきた、娘の美智子だった。

「私、アメリカに行くんです。踊りの勉強がしたいんです」

キラキラとした瞳で夢を語る美智子の姿に、いつしか明美はかつての自分の姿を重ね合わせていた…。

「そりゃなしだよ。そりゃないよ、明美。長い人生、寄り添い、助け合い、いたわり合って生きていこうなんて、オレ達、ナシだよ。お前ズベ公、俺ろくでなし。これでやってきたんだろうが」

虐げられるが故により深く愛し合う、ヒモとストリッパーの真実の愛の物語。

高野愛

小川智之

岩崎祐也

山本ナオミ

新澤明日

知念佐枝