第5回公演「出発」(作/つかこうへい)

2016-09-18
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9PROJECT「出発」

作/つかこうへい  演出/渡辺和徳
出演/小川智之・渡辺昇・高野愛・木村佐都美・浦島三太朗・農坂夢香

日程/2017年2月7日(火)〜12日(日)
会場/SPACE梟門
席種/全席自由席のみ
料金/一般 3,500円(前売・当日とも)・学生 2,500円

ABOUT

1974年につかこうへいが「熱海殺人事件」で岸田國士戯曲賞を当時最年少で受賞した後、その受賞後第一作目として文学座に書き下ろしたのが、この「出発」です。その後、つか自身の演出によって改訂を重ねながら、幾度となく再演されてきましたが、この初演バージョンが上演されるのは実に42年振りです。

舞台は、ある日突然父親が蒸発してしまった一家。一人一人が健気に父の帰りを待つ家族に徹するうち、次第にテンションが上がり、銘々勝手に“正しい家族の在り方”を主張しあうようになる。そしてまた父親も“苦悩の末、妻と子を捨てざるをえなかった悲劇の男”としてしか、家庭に戻ることを許されなくなっていく…。

初期の作品特有の不条理なストーリー展開ながら全編には笑いが溢れ、その大仰なる日常の中、真に正しい家族の在り方が描き出されていきます。

今回の上演のために集まってくれたのは、vol.2「生涯」で素敵なおばあちゃんを演じてくれた木村佐都美さん(おちないリンゴ)、同じくつかこうへいに育てられた脚本家・羽原大介さんの劇団、昭和芸能社より浦島三太朗さん、北区つかこうへい劇団で長くつか作品を演じてきた渡辺昇さん、そして大学生の新人・農坂夢香さんです。

つかこうへい独特の笑いとペーソスに溢れた、つか版・ホームドラマの傑作をどうぞお見逃しなく!

STORY

「うちの親父は筋金入りの蒸発だぜ。並のトンズラじゃないんだぜ!」

岡山家の当主、岡山八太郎が蒸発した。
その噂は、すぐにご近所に知れ渡っていた。ある者は昨夜電信柱の陰で見たといい、ある者は失踪の理由をアレヤコレヤと言い立てる。しかし、当の岡山家の食卓は、厳粛なる空気に包まれていた。

呪われた家系を持つ岡山家の当主が蒸発したのである。ただフラリといなくなったわけではない。そこらのホステスと逃げ出したわけでもない。高尚かつ哲学的な意味を持って蒸発したのに違いないのである。そしてこの寒空の下、残してきた家族を思い、それでも帰るわけには行かないその身の不幸を嘆きながら、涙を流しているのに違いないのである。

であるならば、その父の帰りを待つ家族も、それ相応の覚悟を持って日々の暮らしを営まなくてはならない。
今、岡山家は“正しい家族の在り方”を目指し、意地と覚悟をぶつけ合う…。

果たして、父親は帰ってくるのだろうか。
果たして、岡山家の体面は保たれるのだろうか。

不条理なストーリーの中に笑いが溢れ、真に正しい家族の在り方が描き出されていく。
つか版、ホームドラマの傑作です!

小川智之

渡辺昇

高野愛

木村佐都美

浦島三太朗

農坂夢香